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三重県は医師不足

厚生労働省の令和2年の資料によれば、全国の人口十万人あたりの病院および診療所の医師数は、256.6人。

うち、三重県は231.6人となっています。これは、他の都道府県と比べると少ない部類となっており、都道府県別の医師総数の順位でみると、35位という位置付けになります。

特に病院の医師数が少なく、伊賀、東紀州、鈴亀のエリアは医師不足が顕著な傾向があります。

診療科別に見ると、麻酔科が47位、胸部外科が42位、外科、泌尿器科が36位と全国的に見ても医師が少なくなっており、反対に脳神経外科は14位、産婦人科は20位と、診療科によって医師数の割合にばらつきがみられます。

三重県の産婦人科の状況

三重県の産婦人科に関しては、病院数や医師数などは他県と比べて特に少ない、という印象はありませんが、具体的な数を見てみると、分娩を取り扱うことができる病院や診療所・助産所の数は、病院が18、診療所が31、助産所が6(平成18年のデータによるもの)と決して「多い」とは言えない状況となっています。

全国各地の産婦人科の現場では、ハイリスクを抱えた妊産婦の増加や、低出生体重児への対応が必要な「周産期医療」の需要が高まっており、産婦人科においてもその状況は変わりません。

むしろ三重県の場合は病院よりも診療所で出産することも多い傾向があるため、診療所での安全な分娩体制を作ることも重視されています。

そのため三重県では、平成15年から総合・地域周産期母子医療センターなどを認定して周産期医療体制を整備したり、「国立大学法人三重大学医学部附属病院」をオープン病院とすることで中勢地域の産科診療所や三重県下全域の施設を登録するなどして、産科施設の集約化や機能分担が図れるようなシステム作りを進めています。

このシステムは、オープン病院を核として張り巡らされている周産期医療ネットワークを活用することで、施設間の患者の移動をスムーズにしたり、全体のレベルアップを行うというものとなります。三重県で妊婦さんが安心して出産に臨めるような環境づくりの一環なのです。